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第9編 ダム編

第1章 コンクリートダム

第1節 適用

1. 対象工種

本章は、ダム工事における掘削工、ダムコンクリート工、型枠工、表面仕上げ工、埋設物設置工、パイプクーリング工、プレクーリング工、継目グラウチング工、閉塞コンクリート工、排水及び雨水等の処理その他これらに類する工種について適用する。

2. 適用規定

本章に特に定めのない事項については、第1編共通編、第2編材料編、第3編土木工事共通編の規定による。

第2節 適用すべき諸基準

受注者は、設計図書において特に定めのない事項については、以下の基準類による。これにより難い場合は、監督職員の承諾を得なければならない。

なお、基準類と設計図書に相違がある場合は、原則として設計図書の規定に従うものとし、疑義がある場合は監督職員と協議しなければならない。

  • 土木学会 コンクリート標準示方書(ダムコンクリート編)[2023年制定](2023年9月)

第3節 掘削工

9-1-3-1 一般事項

本節は、掘削工として掘削分類、過掘の処理、発破制限、岩盤面処理、不良岩等の処理、建設発生土の処理、基礎岩盤の確認、岩盤確認後の再処理その他これらに類する工種について定める。

9-1-3-2 掘削分類

掘削は、以下に分類し、その判定は監督職員が行うものとする。

(1)土石掘削

(2)岩石掘削

ただし、第9編9-1-3-5岩盤面処理の3項に示す仕上げ掘削は、岩石掘削に含むものとする。

9-1-3-3 過掘の処理

1. 一般事項

受注者は、過掘のないように施工しなければならない。

2. 埋戻し

受注者は、本条1項の埋戻しはコンクリートで埋戻さなければならない。

9-1-3-4 発破制限

受注者は、仕上げ掘削の直上部で掘削を行うときは、自然の基礎岩盤に乱れや弛みが生じるのを防止するため、使用する火薬類の種類及び使用量を制限しなければならない。

9-1-3-5 岩盤面処理

1. 一般事項

基礎岩盤とは、設計図書に示す予定掘削線以下の岩盤で、コンクリートダムの基礎となる岩盤をいうものとする。

なお、設計図書に示す予定掘削線は、岩質の状況により監督職員が変更を指示する場合があるものとする。

2. 監督職員の確認

受注者は、本条第3項及び第4項の作業完了後、監督職員の確認を受けなければならない。

3. 仕上げ掘削

(1)仕上げ掘削とは、コンクリート打設前に掘削作業により弛んだ岩盤を火薬類を使用しないで掘削除去し、基礎岩盤面を仕上げる作業をいうものとする。

(2)受注者は、仕上げ掘削を行うときは、ピックハンマー及び手掘り工具等を用いて、基礎岩盤に乱れや弛みが生じないように仕上げなければならない。

4. 岩盤清掃

受注者は、コンクリート打設直前に基礎岩盤面上の浮石、堆積物、油及び岩片等を除去したうえで圧力水、圧縮空気、ワイヤーブラシ等により清掃し、溜水、砂等を除去しなければならない。

9-1-3-6 不良岩等の処理

1. 一般事項

受注者は、局部的不良岩及び破砕帯、断層の処理にあたっては、設計図書に示す方法によらなければならない。ただし、これにより難い場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。

2. 基礎岩盤からの湧水処理

受注者は、基礎岩盤から湧水がある場合の処理にあたっては、設計図書に示す方法によらなければならない。ただし、これにより難い場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。

9-1-3-7 建設発生土の処理

1. 一般事項

受注者は、建設発生土を設計図書に示す建設発生土受入れ地に運搬し、処理しなければならない。

2. 降雨災害の防止

受注者は、建設発生土を処理するときは、降雨等による崩壊及び土砂や雨水の流出による災害を起こすことがないよう施工しなければならない。

3. 再生資源化

受注者は、建設発生土を再生資源として利用する場合には、その利用先について設計図書によらなければならない。

9-1-3-8 基礎岩盤の確認

1. 一般事項

受注者は、岩盤清掃が完了したときには、基礎岩盤としての適否について、監督職員の確認を受けなければならない。

2. 確認資料の提出

受注者は、確認に際しては、設計図書に示す資料を監督職員に提出しなければならない。

9-1-3-9 岩盤確認後の再処理

受注者は、以下の場合には、監督職員の指示に従い第9編9-1-3-5岩盤面処理4項の岩盤清掃を行い、コンクリート打設直前に監督職員の再確認を受けなければならない。

(1)基礎岩盤の確認終了後の岩盤を、長期間放置した場合。

(2)基礎岩盤の確認後、岩盤の状況が著しく変化した場合。

第4節 ダムコンクリート工

9-1-4-1 一般事項

1. 適用工種

本節は、ダムコンクリート工として原石骨材、天然骨材、配合、材料の計量、練混ぜ、コンクリートの運搬、打込み開始、コンクリートの打込み、締固め、継目、養生その他これらに類する工種について定める。

2. 適用工法

本節は、有スランプコンクリートを用いて施工するブロック工法及びレヤー工法の場合に適用する。

3. 骨材使用時の注意(1)

受注者は、設計図書に基づいて製造した骨材を使用しなければならない。

4. 骨材使用時の注意(2)

受注者は、監督職員の指示または承諾なしに、骨材をダム本体コンクリート工事以外に使用してはならない。

9-1-4-2 原石骨材

1. 表土処理

受注者は、表土の取り除きが完了したときには、原石としての適否について、監督職員の確認を受けなければならない。

2. 原石採取

(1)受注者は、原石の採取にあたっては、草木、泥土、その他有害物が混入しないようにしなければならない。

(2)受注者は、原石採取中に破砕帯、風化層等に遭遇した場合には監督職員と協議しなければならない。監督職員が品質試験等の結果から骨材として不適当と認めた場合には、監督職員の指示に従わなければならない。

(3)受注者は、原石の採取にあたっては、設計図書に定められた法面勾配等に基づき施工する。ただし、浮石等の存在によりこれにより難い場合には、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。

9-1-4-3 天然骨材

受注者は、骨材を採取する場合には、治水、利水及び河川工作物等に悪影響をおよぼさないように、設計図書に従い採取しなければならない。

9-1-4-4 配合

1. 一般事項

受注者は、設計図書に示すコンクリートの示方配合を、現場試験の結果に基づいて現場配合に直し、設計図書に示す資料により監督職員の承諾を得なければならない。

2. 配合の修正

受注者は、現場試験の結果、配合の修正が必要と認められる場合には、設計図書に示す資料により監督職員の承諾を得なければならない。

9-1-4-5 材料の計量

1. 一般事項

受注者は、骨材の表面水量の試験及び骨材が乾燥している場合の有効吸水量の試験にあたっては、設計図書に示す方法によらなければならない。

2. 各材料の計量

受注者は、各材料の計量にあたっては、1練り分ずつ質量で計量しなければならない。ただし、水及び混和剤溶液は第1編1-3-5-4材料の計量及び練混ぜ、表1-3-2計量値の許容差に示した許容差内である場合には、体積で計量してもよいものとする。

3. 用水

混和剤を溶かすのに用いた水または混和剤を薄めるのに用いた水は、単位水量の一部とするものとする。

4. 計量装置の精度確保

受注者は、設計図書に従い計量装置を所定の精度を確保するため定期的に検査し、その結果を整理・保管するとともに、監督職員または検査職員から請求があった場合は速やかに提示しなければならない。また、検査の結果異常が発見された場合は速やかに監督職員へ報告する。

9-1-4-6 練混ぜ

1. 一般事項

受注者は、水、セメント、骨材、混和材、混和剤が均一に練り混ぜられた状態になるまで、コンクリートを練り混ぜなければならない。

2. ミキサーの練混ぜ性能試験

受注者は、JIS A 8603-2(コンクリートミキサー第2部:練混ぜ性能試験方法)によりミキサーの練混ぜ性能試験を行い、十分な性能を有することを確かめてから使用するものとし、試験結果は整理・保管するとともに、監督職員または検査職員から請求があった場合は速やかに提示しなければならない。また、試験の結果、異常が発見された場合は速やかに監督職員へ報告しなければならない。

3. 使用機器

受注者は、コンクリートの練混ぜにあたっては、バッチミキサーを用いなければならない。

4. 材料分離

ミキサーは、練り上がりコンクリートを排出する時に、材料の分離を起こさないものとする。

5. 1練りの量及び練混ぜ時間の決定

受注者は、1練りの量及び練混ぜ時間を、JIS A 8603-2(コンクリートミキサー第2部:練混ぜ性能試験方法)により試験を行ったうえで決定しなければならない。

(1)可傾式ミキサの練混ぜ時間は、ミキサー内にセメント、混和材、混和剤及び骨材を全部投入したときからとし、その最小時間は表9-1-1を標準とする。

ミキサ容量(m³)練りまぜ時間(分)
3以下〜2超2.5
2以下〜1.5超2.0
1.5以下1.5

(2)受注者は、強制練りミキサーを用いる場合は、JIS A 8603-2(コンクリートミキサー第2部:練混ぜ性能試験方法)により練混ぜ性能試験を行い、十分な性能を有することを確かめるものとし、試験結果は整理・保管するとともに、監督職員または検査職員から請求があった場合は速やかに提示しなければならない。また、試験の結果、異常が発見された場合は速やかに監督職員へ報告しなければならない。

6. 練混ぜ時間の範囲

練混ぜ時間は、本条5項で決定した時間の3倍以下とする。

7. 排出

受注者は、ミキサー内のコンクリートを全部排出した後でなければ、新たに材料を投入してはならない。

8. 付着物の除去

受注者は、コンクリートの打込み作業開始前及び打込み作業終了後にはミキサーを清掃し、ミキサー内に付着したコンクリート及び雑物を除去しなければならない。

9. 不適合配合の処分

受注者は、コンクリート製造設備の故障や計量の誤りにより、以下に示す配合とならなかった場合、及び監督職員が廃棄を指示したコンクリートについては、適切に運搬し、処分しなければならない。

(1)第9編9-1-4-4配合に示すコンクリートの配合

(2)第9編9-1-4-8打込み開始の5項に示すモルタルの配合

9-1-4-7 コンクリートの運搬

1. 一般事項

受注者は、練上りコンクリートを材料の分離が生じないよう、速やかに打込み場所に運搬しなければならない。

2. 内部付着物の除去

受注者は、コンクリートの運搬を始める前に、運搬装置の内部に付着しているコンクリート及び雑物を取り除かなければならない。

3. バケット運搬

受注者は、コンクリートの運搬にあたっては、バケットによらなければならない。ただし、これ以外の場合は、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。

4. バケットの構造

バケットの構造は、コンクリートの投入及び排出の際に材料の分離を起こさないものであり、また、バケットからのコンクリートの排出が容易でかつ速やかなものとする。

9-1-4-8 打込み開始

1. 施工計画書

受注者は、コンクリートの打込みにあたっては、事前に打込みブロックの工程計画を作成し、施工計画書へ記載する。

2. 打継目

受注者は、コンクリートの打込みに先立ち、打継目の処理及び清掃、型枠、鉄筋、各種埋設物の設置について、監督職員の確認を受けなければならない。

3. 技術者の常駐

受注者は、コンクリートの打込み時には、設計図書に示す資格と経験を有する技術者を現場に常駐させなければならない。

4. コンクリート面の処置

受注者は、コンクリートの打込み前に、コンクリートを打込む基礎岩盤面及び水平打継目のコンクリート面を、湿潤にして吸水させたうえで表面の水を除いた後、モルタルを塗込み、ただちにコンクリートの打込みを開始しなければならない。

5. モルタル塗り込み

受注者は、設計図書に示す配合のモルタルをコンクリート打込み面に均等に塗り込まなければならない。

6. セメントペースト塗り込み

受注者は、基礎岩盤面にコンクリートを打込む場合、モルタルのつきにくい部分には、セメントペーストを塗り込まなければならない。

7. モルタルの厚さ

モルタルの厚さは平均厚で、岩盤では2cm程度、水平打継目では1.5cm程度とする。

9-1-4-9 コンクリートの打込み

1. 一般事項

受注者は、コンクリートを運搬後、ただちに打込むとともに、一区画内のコンクリートは、打込みが完了するまで連続して打込まなければならない。

2. 適用規定

受注者は、第9編9-1-4-10締固め5項に示す状態が確保されないコンクリートを用いてはならない。

3. コンクリート落下高さ

受注者は、コンクリート打込み用バケットを、その下端が打込み面上1m程度に達するまでおろし、打込み場所にコンクリートを排出し、コンクリートを移動させる必要がないようにしなければならない。

4. 1リフトの高さ

1リフトの高さは、設計図書による。

5. ハーフリフト高さ

受注者は、以下の場合には、ハーフリフト高さとしなければならない。

(1)基礎岩盤面より打ち上がるとき

(2)長期間打止めしたリフト面より打継ぐとき

(3)その他監督職員が指示する時

6. コンクリートの打ち上がり速度等

受注者は、コンクリートの打ち上がり速度等については、以下によらなければならない。

(1)受注者は、打ち上がり速度を、各リフトのコンクリートの露出日数が少なくなるよう定め、打ち上がり速度について施工計画書へ記載する。

(2)旧コンクリートが0.75m以上〜1.0m未満のリフトの場合は材齢3日、1.0m以上〜1.5m未満のリフトの場合は材齢4日、1.5m以上〜2.0m以下のリフトの場合は材齢5日に達した後にコンクリートを打継ぐものとする。

(3)隣接ブロックの高低差は、上下流方向で4リフト、ダム軸方向で8リフト以内とする。

7. 打込み厚さ

受注者は、1リフトを数層に分けて打込むときには、締固めた後の一層の厚さが、40〜50cmになるように打込まなければならない。

8. 異コンクリートの打継ぎ

受注者は、異なったコンクリートを打継ぐ場合には、その移り目で、配合の急変を避けるようコンクリートを打込まなければならない。

9. コールドジョイント

受注者は、機械の故障、天候の変化その他の理由でやむを得ず一区画内にコールドジョイントを設けなければならない場合には、設計図書に関して監督職員の承諾を得て施工面を仕上げ、打継目の完全な接合を図らなければならない。

10. 水中コンクリート

受注者は、水中コンクリートを打ってはならない。

11. 暑中のコンクリート打込み

受注者は、暑中のコンクリート打込みにあたっては、打継面が乾燥しないよう常に湿潤状態に保たなければならない。

12. 監督職員の承諾

受注者は、以下の事項に該当する場合には、コンクリートの打込みについて、監督職員の承諾を得なければならない。

(1)コンクリート打設現場の平均日気温が4℃以下になるおそれのある場合

(2)コンクリートの打込み温度が25℃以上になるおそれのある場合

(3)降雨、降雪の場合

(4)その他コンクリートの品質に悪影響を及ぼすおそれがある事象がある場合

13. 各リフトの上面仕上げ

受注者は、各リフトの上面を平らに仕上げなければならない。ただし、排水のために勾配をつける場合には、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。

14. 打込み順序

受注者は、内部コンクリートと外部コンクリートの接合、コールドジョイントの処理を考慮して打込み途中のコンクリートの露出面積が小さくなるようなコンクリートの打込み順序としなければならない。

9-1-4-10 締固め

1. 一般事項

受注者は、バケットから排出後のコンクリートをただちに締固めなければならない。

2. コンクリートの締固め

受注者は、コンクリートの締固めにあたっては、棒状バイブレータを用いなければならない。ただし、棒状バイブレータの使用が困難で、かつ型枠に近い場所には型枠バイブレータを使用して確実に締め固めなければならない。

3. 棒状バイブレータの性能

受注者は、設計図書に示す性能を有する棒状バイブレータを用いなければならない。

4. 棒状バイブレータの操作

受注者は、棒状バイブレータを鉛直に差込み、コンクリート全体が一様に締固められるようにし、層打ちの場合には、棒状バイブレータが下層に入るようにしなければならない。また、棒状バイブレータを用いてコンクリートを横移動させてはならない。

5. 締固め時間

受注者は、粗骨材が表面に露出せず、上面にモルタルがあり、さらに人が上面に乗れるまで、締固めを行わなければならない。また、棒状バイブレータは、コンクリートからゆっくり引抜き、穴が残らないようにしなければならない。

6. 上昇水の除去

受注者は、各層の締固め面に上昇してくる水を取り除かなければならない。

9-1-4-11 継目

1. 一般事項

受注者は、ダムの安定性、水密性等を害しないように継目を施工しなければならない。

2. 打継目の承諾

受注者は、設計図書に定められていない打継目または施工上必要と認められていない打継目をやむを得ず設ける場合には、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。

3. 水平打継目の処理

受注者は、各リフトの上層に上昇してくる水によって品質の悪いコンクリートにならないようにしなければならない。水平打継目に品質の悪いコンクリートができた場合には、この部分のコンクリートを取り除かなければならない。

4. レイタンス、浮き石の除去

受注者は、設計図書に示す水平打継目の処理にあたっては、既に打ち込まれたコンクリートの表面のレイタンス、品質の悪いコンクリート、緩んだ骨材粒等を完全に取り除き、コンクリート表面を粗にした後、十分に吸水させなければならない。また、その時期については、監督職員と協議しなければならない。

やむを得ずチッピングを行わなければならない場合には、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。

5. 収縮継目の処理

受注者は、横継目及び縦継目等の収縮継目の処理にあたっては、突起、モルタル等の付着物、その他の汚れ、雑物を取除き、圧力水等により清掃しなければならない。

6. 水平打継目の処理

受注者は、長期間打止めした水平打継目の処理にあたっては、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。

9-1-4-12 養生

1. 一般事項

受注者は、コンクリートの打込み後、凍害や乾燥等の有害な作用の影響を受けないように、連続して養生しなければならない。

2. 打込み直後の養生

受注者は、コンクリートの表面を荒らさないで作業できる程度に硬化した後に、露出面を一定期間、十分な湿潤状態に保たなければならない。養生方法の選定、期間については設計図書によらなければならない。

3. 開口部の養生

受注者は、通廊、堤内仮排水路等の開口部において、その両端部をシート等で完全に覆い、開口部周囲のコンクリートの温度が急変しないようにしなければならない。

4. 打継面の保護

受注者は、打継面を長期間放置する場合には、油脂類の付着防止や表面の保護等について、監督職員の承諾を得なければならない。

第5節 型枠工

9-1-5-1 一般事項

1. 適用工種

本節は、型枠工としてせき板、型枠の組立て取りはずし移動、型枠の取りはずし後の処理その他これらに類する工種について定める。

2. 型枠材料

型枠は、鋼製型枠とする。受注者は、これにより難い場合は、監督職員と協議しなければならない。

3. 型枠の構造及び使用方法

受注者は、型枠の構造及び使用方法については、設計図書によるものとし、製作前に構造図について監督職員と協議しなければならない。

4. 型枠材料使用時の注意

受注者は、モルタルが漏れない構造の型枠を使用しなければならない。

9-1-5-2 せき板

1. 一般事項

受注者は、支保工によって堅固に支持される構造のせき板を使用しなければならない。

2. せき板

受注者は、せき板を使用する前に、破損箇所を修理し、コンクリート面に接するモルタル、その他の付着物を取り除き清掃のうえはく離材を塗布しなければならない。

3. はく離材

せき板内面に塗布するはく離材は、コンクリートに悪影響を与えず、また、汚色を残さないものとする。

9-1-5-3 型枠の組立て取りはずし移動

1. 一般事項

受注者は、型枠の組立てにあたっては、鋼製材料を用いるものとし、仕上げコンクリート面からこれらの支持材が突出してはならない。ただし、これ以外の場合には、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。

2. コンクリート面の保護

受注者は、型枠の取りはずしにあたっては、コンクリート面が損傷しないように行わなければならない。

3. 取りはずし時期及び順序

受注者は、型枠の取りはずし時期及び順序については、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。

9-1-5-4 型枠の取りはずし後の処理

1. 施工計画書

受注者は、やむを得ずコンクリート表面に生じた豆板、ボルトの穴、型枠取りはずしによって生じた損傷部及び型枠の不完全によってできた不陸等の処置にあたっては、あらかじめ処置方法を定め施工計画書へ記載する。

2. ボルト、棒鋼、パイプ等

受注者は、ボルト、棒鋼、パイプ等をコンクリート表面から2.5cm以内に残してはならない。

第6節 表面仕上げ工

9-1-6-1 一般事項

本節は、表面仕上げ工として表面仕上げその他これらに類する工種について定める。

9-1-6-2 表面仕上げ

1. 一般事項

受注者は、せき板に接して露出面となるコンクリート仕上げにあたっては、平らなモルタルの表面が得られるように、打込み及び締固めを行わなければならない。

2. 表面仕上げ

受注者は、コンクリートの上面のしみ出た水を取り除いて、こてで平らに仕上げなければならない。ただし、こて仕上げは材料分離が生じないように行わなければならない。

3. かなこて仕上げ

受注者は、ダムの越流部、導流部及び減勢部のコンクリートの表面は、平滑で不陸のない表面に仕上げなければならない。またダムの越流部で、型枠に接しない部分の表面仕上げにあたっては、こてを用い平滑に仕上げなければならない。

第7節 埋設物設置工

9-1-7-1 一般事項

1. 適用工種

本節は、埋設物設置工として冷却管設置、継目グラウチング設備設置、止水板、観測計器埋設その他これらに類する工種について定める。

2. 埋設物の設置

受注者は、設計図書に示す埋設物を設置しなければならない。

9-1-7-2 冷却管設置

1. 一般事項

受注者は、設計図書に示す冷却管を使用しなければならない。ただし、これ以外の場合は、監督職員と協議しなければならない。

2. 監督職員の承諾

受注者は、冷却管の設置に先立ち、設置計画図により、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。

3. 冷却管の固定

受注者は、コンクリートの打込み中に冷却管が移動、変形のないように固定しなければならない。

4. 通水試験

受注者は、冷却管及び附属品の設置が完了したときには、コンクリートの打込み前に通水試験を行い、監督職員の確認を得なければならない。

5. 冷却管故障の処置

受注者は、コンクリート打込み中に冷却管の故障が発生した場合には直ちに通水及びコンクリートの打込みを中止し、打込みコンクリートの除去等の処置をしなければならない。

9-1-7-3 継目グラウチング設備設置

1. 一般事項

受注者は、継目グラウチング設備の設置が完了したときには、監督職員の確認を受けなければならない。

2. パイプづまり対策

受注者は、サプライ、リターン等に標示板を取付け、パイプづまりのないようにしなければならない。

3. 通気または通水試験

受注者は、コンクリートの打込み完了後には、通気または通水試験を行い、パイプづまり等がないようにしなければならない。

9-1-7-4 止水板

1. 接合

受注者は、以下に示す方法により止水板の接合を行わなければならない。

(1)鋼製止水板を使用する場合は、両面溶接とする。

(2)銅製止水板を使用する場合は、両面をろう付けする。

(3)合成樹脂製の止水板を使用する場合は、突き合せ接合とする。

2. 接合部の止水性

受注者は、止水板接合完了後には、接合部の止水性について、監督職員の確認を受けなければならない。

9-1-7-5 観測計器埋設

1. 一般事項

受注者は、観測計器の設置前に計器の動作確認を行い、観測計器製造者の計器の品質または性能に関する資料を保管し、監督職員または検査職員から請求があった場合は速やかに提示しなければならない。

2. 計器の精度

受注者は、観測計器の設置にあたっては、計器の精度を損なわないように設置しなければならない。

第8節 パイプクーリング工

9-1-8-1 一般事項

本節は、パイプクーリング工としてクーリングの種類、冷却用設備、冷却工その他これらに類する工種について定める。

9-1-8-2 クーリングの種類

クーリングは、打込んだコンクリートの温度上昇を抑制する一次クーリングと、コンクリートを所定の温度まで冷却する二次クーリングの2種類とするものとする。

9-1-8-3 冷却用設備

1. 一般事項

受注者は、冷却用設備の設置にあたっては、以下の事項に基づき設置計画図を作成し、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。

(1)冷却設備は、一次クーリング及び二次クーリングの冷却作業が行えるように管類を配置するものとする。

(2)堤外管と堤内管との接続にあたっては、各コイルを通る冷却水の流れが、他のコイルの流れに影響されることなく、常に調整できるようにするものとする。

(3)堤外管には、冷却水の方向を切替えることができる水流切替装置を設けるものとする。

(4)堤外管は、断熱材を用いて被覆し、冷却水の温度上昇及び凍結を防止するものとする。

(5)堤外管系統には、排水装置を設けるものとする。

(6)堤内管の出入口及び堤外管沿いには、クーリング設備を管理するための作業用の歩廊階段を設けるものとする。

(7)堤外管には、設計図書に示す冷却作業の管理に必要な計器を取付けるものとする。

2. 維持管理

受注者は、冷却用設備を連続して使用できるように設置し、常時その機能が発揮できる状態に維持しなければならない。

9-1-8-4 冷却工

1. 通水

受注者は、設計図書に示す方法により、コイル内の流量を調整しなければならない。

2. 一次クーリング

受注者は、コンクリートの打込み開始に先立ち通水を開始し、設計図書に示す期間まで連続してクーリングを実施しなければならない。

3. 二次クーリング

受注者は、継目グラウチングに先立ち、二次クーリングの通水を開始するものとし、ダムコンクリートの温度が、設計図書に示す温度に達するまで連続してクーリングを行わなければならない。

4. 冷却完了後の処置

(1)受注者は、冷却完了後には、施工計画に基づき外部配管等を撤去しなければならない。

(2)受注者は、継目グラウチングを行った後、監督職員の立会いのもとに冷却管内にセメントミルクを充填しなければならない。

(3)受注者は、セメントミルクの充填に先立ち冷却管に圧さく空気を送り込み、管内に残る水を排出しなければならない。

(4)受注者は、冷却管充填後には、箱抜き部をモルタルで詰めなければならない。

第9節 プレクーリング工

9-1-9-1 一般事項

本節は、プレクーリング工としてプレクーリングその他これらに類する工種について定める。

9-1-9-2 プレクーリング

1. 冷却

受注者は、設計図書に示す練上りコンクリートの温度になるよう、冷却する材料を均等に冷却しなければならない。

2. 氷使用時の注意

受注者は、練混ぜに用いる水の一部として氷を用いる場合には、コンクリートが練上るまでに氷が完全に溶けているものでなければならない。

第10節 継目グラウチング工

9-1-10-1 一般事項

本節は、継目グラウチング工として施工方法、施工設備等、施工その他これらに類する工種について定める。

9-1-10-2 施工方法

1. 注入順序

受注者は、設計図書に示す順序で注入を行わなければならない。

2. 継目の動きの限度

注入時における継目の動きの限度は、設計図書による。

3. グラウチング時期

受注者は、設計図書に示す時期にグラウチングを行わなければならない。

4. グラウチング順序

受注者は、以下に示す順序でグラウチングを行わなければならない。

(1)洗浄及び水押しテスト

(2)コーキング

(3)充水

(4)注入

9-1-10-3 施工設備等

1. グラウトポンプ

受注者は、設計図書に示す仕様のグラウトポンプを使用しなければならない。

2. 圧力計

受注者は、設計図書に示す仕様の圧力計を使用するものとし、使用前には検査を行い、使用する圧力計について監督職員の確認を得なければならない。また、圧力計の設置箇所は、監督職員の承諾を得なければならない。

3. 充水用水槽

受注者は、充水の圧力変動を少なくするため、水槽を設けなければならない。ただし、これ以外の場合は、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。

4. 水及びセメント等の計量

受注者は、水及びセメントの計量にあたっては、設計図書に示す方法によらなければならない。ただし、これ以外の場合は、監督職員に協議しなければならない。

9-1-10-4 施工

1. 洗浄及び水押しテスト

受注者は、埋設管のパイプ詰まりの有無、継目面の洗浄、漏えい箇所の検出のため、洗浄及び水押しテストを行い、監督職員の確認を得なければならない。

(1)受注者は、設計図書に示す圧力で水が清水になるまで洗浄しなければならない。

(2)受注者は、パイプ内及び継目の洗浄が完了した後は、設計図書に示す規定圧力で水押しテストを行い、漏水の有無について点検しなければならない。

(3)受注者は、水押しテストにあたっては、監督職員の承諾を得た染料を使用し、圧力の測定は、本条5項によらなければならない。

(4)受注者は、水押しテストの作業が完了したときには、継目及びパイプ内の水を抜かなければならない。

2. コーキング

(1)受注者は、水押しテストの結果、漏えい箇所が検出されたときには糸鉛、綿糸、モルタル急硬剤によりコーキングを行わなければならない。ただし、これ以外の材料による場合は、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。

(2)受注者は、注入中においても漏えい箇所が検出されたときは、本条2項(1)によりコーキングを行わなければならない。

3. 充水

(1)注入前の充水:受注者は、セメントミルクの注入に先立ち注入しようとする継目、直上リフト及び隣接の継目には、規定圧で充水し、異常がなければ各継目の水を抜かなければならない。

(2)注入中の充水:受注者は、セメントミルクの注入開始と同時に、直上リフト及び隣接の各継目に、規定圧で充水しなければならない。また、注入完了後、水を抜かなければならない。

4. 注入

(1)受注者は、すべての準備が完了し、監督職員の確認を受けた後、注入を開始しなければならない。

(2)受注者は、規定の注入圧で、注入を行わなければならない。

(3)受注者は、セメントミルクの配合及び切替えについては、設計図書によらなければならない。

(4)受注者は、以下の手順を経て注入を完了する。

  1. ベントより排出するセメントミルクの比重が、最終配合の比重と同じになるまで注入を行う。
  2. 上記1の状態が30分以上変らないことを確かめる。
  3. 各バルブを全閉するとともに、注入を中止する。
  4. 注入終了後30分以上、圧力低下がないことを確かめて注入完了とする。

(5)受注者は、注入中ベントより排出するミルク及び注入完了後廃棄するミルクが、堤体等を汚さぬよう常に水で洗浄しなければならない。

(6)受注者は、注入完了後の各ヘッダ管口部及びダイヤルゲージ取付金物等の存置、撤去にあたっては、施工計画によらなければならない。

5. 測定

受注者は、注入開始と同時に、以下の測定を行わなければならない。

(1)注入圧力の測定は、圧力計で行うものとし、測定結果を記録しなければならない。

(2)継目の動きの測定は、堤体内に埋設された継目計またはダイヤルゲージで行い、動きの状況は、自動計測記録装置を使用し記録しなければならない。また、これらの型式、規格、設置場所等については監督職員の承諾を得なければならない。

(3)セメントミルクの比重は、監督職員の指示する時期に、アジテータ及びベントにおいて比重計により測定し、監督職員に報告しなければならない。

第11節 閉塞コンクリート工

9-1-11-1 一般事項

1. 適用規定

本節は、閉塞コンクリート工としてコンクリートの施工その他これらに類する工種について定める。

2. 一般事項

受注者は、堤内仮排水路部、その他工事で便宜上設けた堤体内の一次的開口部を、すべてコンクリートにより完全に閉塞するものとする。

9-1-11-2 コンクリートの施工

1. 施工計画書

(1)受注者は、閉塞コンクリートの運搬及び打込み方法について、施工計画書に記載しなければならない。

(2)受注者は、コンクリートを打込むときに、締切り等からの漏水がある場合の処理方法を施工計画書に記載しなければならない。

2. 閉塞コンクリートの示方配合

閉塞コンクリートの示方配合は、設計図書による。なお、示方配合を現場配合に直す場合は、第9編9-1-4-4配合による。

3. 温度上昇抑制処置

閉塞コンクリートの温度上昇抑制のための処置については、設計図書による。

第12節 排水及び雨水等の処理

9-1-12-1 一般事項

本節は、排水及び雨水等の処理として、工事用水の排水、雨水等の処理その他これらに類する工種について定める。

9-1-12-2 工事用水の排水

受注者は、工事及び骨材の洗浄に使用した排水は、設計図書に従い処理して流さなければならない。

9-1-12-3 雨水等の処理

受注者は、工事区域内に流入した雨水等の処理方法について施工計画書に記載する。

第2章 フィルダム

第1節 適用

1. 適用工種

本章は、ダム工事における掘削工、盛立工、洪水吐き、排水及び雨水等の処理その他これらに類する工種に適用する。

2. 適用規定(1)

洪水吐きは、第9編第1章コンクリートダムの規定による。

3. 適用規定(2)

排水及び雨水等の処理は、第9編第1章第12節排水及び雨水等の処理の規定による。

4. 適用規定(3)

本章に特に定めのない事項については、第1編共通編、第2編材料編、第3編土木工事共通編の規定による。

第2節 適用すべき諸基準

受注者は、設計図書において特に定めのない事項については、関係基準等によらなければならない。

第3節 掘削工

9-2-3-1 一般事項

本節は、掘削工として掘削分類、過掘の処理、発破制限、基礎地盤面及び基礎岩盤面処理、不良岩等の処理、建設発生土の処理、基礎地盤及び基礎岩盤確認、基礎地盤及び基礎岩盤確認後の再処理その他これらに類する工種について定める。

9-2-3-2 掘削分類

掘削は、以下の2種類に分類し、その判定は監督職員が行うものとする。

(1)土石掘削

(2)岩石掘削

ただし、第9編9-2-3-5基礎地盤面及び基礎岩盤面処理の4項に示す仕上げ掘削は、岩石掘削に含むものとする。

9-2-3-3 過掘の処理

1. 一般事項

受注者は、過掘のないように施工しなければならない。

2. 過掘りの処理

受注者は、過掘をした場合は、その処理について監督職員と協議しなければならない。

9-2-3-4 発破制限

発破制限については、第9編9-1-3-4発破制限の規定による。

9-2-3-5 基礎地盤面及び基礎岩盤面処理

1. 基礎地盤

基礎地盤とは、設計図書に示す予定掘削線以下の土石で、フィルダムの基礎となる土石部をいうものとする。

2. 基礎岩盤

基礎岩盤とは、設計図書に示す予定掘削線以下の岩盤で、フィルダムの基礎となる岩盤部をいうものとする。なお、設計図書に示す予定掘削線は、岩質の状況により監督職員が変更する場合があるものとする。

3. 監督職員の立会

受注者は、基礎地盤及び基礎岩盤の整形状況については、監督職員の立会を受けなければならない。

4. 仕上げ掘削

(1)仕上げ掘削とは、掘削作業により弛んだ岩盤を、火薬類を使用しないで掘削除去し、基礎岩盤面を仕上げる作業をいうものとする。

(2)受注者は、仕上げ掘削を行うときは、ピックハンマー及び手掘り工具等を用いて、基礎岩盤に乱れや弛みが生じないように仕上げなければならない。

(3)仕上げ掘削の厚さは、設計図書による。

5. 基礎地盤清掃

受注者は、基礎地盤面上の草木等の有害物を除去しなければならない。

6. 基礎岩盤清掃

受注者は、コアの盛立直前に基礎岩盤面上の浮石、堆積物、油及び岩片等を除去したうえで圧力水、圧縮空気、ワイヤーブラシ等により清掃し溜水、砂等を除去しなければならない。

9-2-3-6 不良岩等の処理

不良岩等の処理については、第9編9-1-3-6不良岩等の処理の規定による。

9-2-3-7 建設発生土の処理

建設発生土の処理については、第9編9-1-3-7建設発生土の処理の規定による。

9-2-3-8 基礎地盤及び基礎岩盤確認

1. 基礎地盤確認

受注者は、基礎地盤の掘削及び整形が完了したときは、基礎地盤としての適否について、監督職員の確認を受けなければならない。

2. 基礎岩盤確認

受注者は、基礎岩盤の岩盤清掃が完了したときは、基礎岩盤としての適否について、監督職員の確認を受けなければならない。

3. 確認資料の提出

受注者は、確認に際しては、設計図書に示す資料を監督職員に提出しなければならない。

9-2-3-9 基礎地盤及び基礎岩盤確認後の再処理

受注者は、以下の場合には監督職員の指示に従い、第9編9-2-3-5基礎地盤面及び基礎岩盤面処理5項の基礎地盤清掃または6項の基礎岩盤清掃を行い、盛立直前に監督職員の再確認を受けなければならない。

(1)基礎地盤確認終了後の地盤または基礎岩盤確認終了後の岩盤を長期間放置した場合

(2)基礎地盤または基礎岩盤の状況が著しく変化した場合

第4節 盛立工

9-2-4-1 一般事項

1. 適用工種

本節は、盛立工として材料採取、着岩材の盛立、中間材の盛立、コアの盛立、フィルターの盛立、ロックの盛立、堤体法面保護工その他これらに類する工種について定める。

2. 盛立工

盛立工とは、フィルダムの構成部分であるロック、フィルター、コア盛立及び堤体法面保護の諸工種をいうものとする。

3. 隣接ゾーンとの盛立

(1)受注者は、フィル堤体部のコアゾーンとフィルターゾーンをほぼ同標高で盛立てるものとし、その許容高低差は設計図書によらなければならない。

(2)受注者は、フィル堤体部のロックゾーンの一部を先行して盛立てる場合は、ゾーン境界側ののり面の傾斜は、1:2.0より急勾配にしてはならない。

4. 運搬路等

(1)受注者は、コアゾーン及びフィルターゾーンを横断する運搬路を設ける場合は、盛立面を保護する構造のものとし、その構造、及び位置については、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。

(2)受注者は、運搬路の跡地等で過転圧となっている部分は、かき起こして、再転圧をしなければならない。

5. 盛立再開時の処理

受注者は、長期間にわたって盛立を中止し、その後盛立を再開する場合は、表層部のかき起こし、締め直しなど盛立材に応じた方法で新旧の盛立部分が一体となるように盛立面を処理し、監督職員の確認を受けなければならない。

6. オーバーサイズの除去

受注者は、巻出し時のコア材及びフィルター材のオーバーサイズ等は、除去しなければならない。

7. 湧水や流水の処置

受注者は、基礎面に湧水がある場合、または流水が流下する場合のコア材等の材料の盛立てにあたっては、監督職員と協議した方法により湧水や流水の影響を除いて盛立てなければならない。

9-2-4-2 材料採取

1. 材料採取

受注者は、設計図書に示す場所より材料を採取するとともに、以下の事項を満足するものでなければならない。

(1)ダム盛立面に搬入した材料が、設計図書に示す粒度、含水比であること。

(2)材料の品質は、施工期間を通じて設計図書に示す規格値以内であること。

2. 材料使用時の注意

受注者は、監督職員の設計図書に関する指示または承諾なしに、材料を本工事以外の工事に使用してはならない。

3. 表土処理

受注者は、表土の取り除きが完了したときは、材料の適否について、監督職員の確認を受けなければならない。

4. 採取

(1)受注者は、材料の採取にあたっては、草木、泥土、その他有害物が混入しないようにしなければならない。

(2)受注者は、材料採取中に監督職員が材料として品質試験の結果から不適当と認めた場合は、監督職員の指示に従わなければならない。

(3)受注者は、原石の採取にあたっては、設計図書に定められた法面勾配等に基づき施工する。ただし、浮石等の存在によりこれにより難い場合には、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。

9-2-4-3 着岩材の盛立

1. 着岩材の粒度

受注者は、コアの施工に先立ち、コンクリート及び岩盤の接着面には、設計図書に示す細粒の材料(以下、「着岩材」という)を使用しなければならない。

2. 接着面の処置

受注者は、着岩材の盛立にあたっては、接着面を湿らせ、さらに監督職員が必要と認めた場合には、クレイスラリーを塗布しなければならない。

3. 着岩材の施工

受注者は、設計図書に示す方法により着岩材を施工しなければならない。

4. 表面の乾燥防止

受注者は、着岩材の施工にあたっては、施工後表面が乾燥しないように処置しなければならない。

9-2-4-4 中間材の盛立

受注者は、コア盛立前に、着岩材より粗粒の中間材を施工する場合は、設計図書に示す方法で締固めなければならない。

9-2-4-5 コアの盛立

1. 一般事項

受注者は、盛立にあたっては、水平に施工しなければならない。ただし、雨水の排水等を考慮して盛立面に勾配を付ける場合は、設計図書によらなければならない。

2. 巻出し

受注者は、巻出しにあたっては、ダム軸と平行に、平らな面となるように施工しなければならない。

3. 巻出し厚と転圧

受注者は、巻出し厚、転圧機械及び転圧回数については、設計図書によらなければならない。

4. 巻出し材料の含水比

受注者は、巻出された材料が、設計図書に示す含水比を確保できない場合には、設計図書に関して、監督職員の指示に従い処置しなければならない。

5. 層間の密着性の確保

受注者は、既に締固めた層の表面が過度に乾燥、湿潤または平滑となっており上層との密着が確保できない場合には、監督職員の指示に従い、散水あるいはスカリファイヤー等の方法で処置し、この部分の締固め完了後に巻出しを行わなければならない。

6. 締固機械の走行

受注者は、締固めにあたっては、締固め機械をダム軸と平行に走行させるものとし、締固め面を乱すことのないようにしなければならない。

7. 雨水の浸透防止

受注者は、締固め中に降雨等で作業を中断する場合には、既に締固められた面及び締固められていない面について、設計図書に関して監督職員の承諾を得た方法で雨水の浸透を防ぐ措置を講じなければならない。

9-2-4-6 フィルターの盛立

1. 一般事項

受注者は、盛立にあたっては、水平に施工しなければならない。ただし、雨水の排水等を考慮して盛立面に勾配を付ける場合は、設計図書によらなければならない。

2. 巻出し

受注者は、巻出しにあたっては、ダム軸と平行に、平らな面となるように施工しなければならない。

3. 巻出し厚と転圧

受注者は、巻出し厚、転圧機械及び転圧回数については、設計図書によらなければならない。

4. 巻出し材料の粒度

受注者は、巻出された材料が、設計図書に示す粒度と合致していない場合には、監督職員の指示に従い処置しなければならない。

5. 締固め機械の走行

受注者は、締固めにあたっては、締固め機械をダム軸と平行に走行させなければならない。ただし、斜面付近では、監督職員の承諾を得てダム軸と直角方向に走行させることができるものとする。

9-2-4-7 ロックの盛立

1. 一般事項

受注者は、盛立にあたっては、水平に施工しなければならない。

2. 巻出し

受注者は、巻出しにあたっては、ダム軸と平行に、平らな面となるように施工しなければならない。

3. 巻出し厚と転圧

受注者は、巻出し厚、転圧機械及び転圧回数については、設計図書によらなければならない。

4. 大塊・小塊の巻出し

受注者は、小塊を基礎地盤または基礎岩盤及びフィルター側に巻出さなければならない。また、大塊は、堤体外周側になるように巻出さなければならない。

5. 締固め機械の走行

受注者は、締固めにあたっては、締固め機械をダム軸と平行に走行させなければならない。ただし、斜面付近では、監督職員の承諾を得てダム軸と直角方向に走行させることができるものとする。

9-2-4-8 堤体法面保護工

1. 使用材料

受注者は、設計図書に示す種類及び品質の材料を使用しなければならない。

2. 堤体法面保護材

受注者は、堤体法面保護材が移動しないように、相互にかみ合わせを良くし、大塊の隙間には小塊が充填されるよう積上げなければならない。

3. 表面の施工

受注者は、設計図書に示す法面に沿って、堤体法面保護の表面に凹凸が生じないように施工しなければならない。

第3章 基礎グラウチング

第1節 適用

1. 適用工種

本章は、ダム工事におけるボーリング工、グラウチング工その他これらに類する工種に適用する。

2. 適用規定

本章に特に定めのない事項については、第1編共通編、第2編材料編、第3編土木工事共通編の規定による。

3. 施工順序

受注者は、以下の順序で基礎グラウチングの施工を行わなければならない。

(1)せん孔

(2)水洗

(3)ルジオンテストまたは水押しテスト

(4)注入

第2節 適用すべき諸基準

受注者は、設計図書において特に定めのない事項については、以下の基準類によるものとし、これにより難い場合は、監督職員の承諾を得なければならない。

なお、基準類と設計図書に相違がある場合は、原則として設計図書の規定に従うものとし、疑義がある場合は監督職員と協議しなければならない。

  • 国土技術研究センター グラウチング技術指針・同解説(平成15年7月)

第3節 ボーリング工

9-3-3-1 一般事項

本節は、ボーリング工としてせん孔機械、せん孔、コア採取及び保管その他これらに類する工種について定める。

9-3-3-2 せん孔機械

受注者は、設計図書に示す仕様のせん孔機械を使用しなければならない。

9-3-3-3 せん孔

1. 一般事項

受注者は、設計図書に示す順序、せん孔径でせん孔しなければならない。

2. せん孔機械の移動

受注者は、監督職員が行うせん孔長の確認後でなければ、せん孔機械を移動してはならない。

3. せん孔時の注意

受注者は、コンクリートを通してせん孔する場合には、堤体内に埋設されたクーリングパイプ、各種観測計器、リード線等の埋設物に損傷を与えないようにしなければならない。

4. 地質変化への対応

受注者は、せん孔中は常にその岩質の変化、断層や破砕帯の状況、湧水、漏水の有無等に注意をはらい、これらに変化が認められた場合には、記録するとともに監督職員の指示を受けなければならない。

5. 孔内洗浄

受注者は、設計図書に示す所定の深度までせん孔した後には、圧力水により孔内のスライムを除去し、洗浄しなければならない。

6. 孔口の処置

受注者は、ボーリングの完了後には、孔口維持のために、孔番号を書いた木杭等で孔口をふさがなければならない。

9-3-3-4 コア採取及び保管

1. コア採取

受注者は、設計図書に示す孔について、コアを採取しなければならない。

2. 採取コアの提出

受注者は、採取したコアを孔毎にコア箱に整理し、監督職員が連絡する場所に納品しなければならない。

9-3-3-5 水押しテスト

受注者は、注入に先立ち設計図書に基づきルジオンテスト、または水押しテストを行い、その結果を記録しなければならない。

第4節 グラウチング工

9-3-4-1 一般事項

本節は、グラウチング工として注入機械、グラウチング用配管、セメントミルクの製造及び輸送、注入管理、配合及びその切替え、水押しテスト、注入、注入効果の判定その他これらに類する工種について定める。

9-3-4-2 注入機械

受注者は、設計図書に示す仕様の注入機械を使用しなければならない。

9-3-4-3 グラウチング用配管

グラウチング用配管の配管方式は、設計図書によらなければならない。

9-3-4-4 セメントミルクの製造及び輸送

1. 一般事項

受注者は、設計図書に示す方法により、セメントミルクを製造及び輸送しなければならない。

2. 水及びセメントの計量

受注者は、水及びセメントの計量にあたっては、設計図書に示す方法によらなければならない。ただし、これ以外の場合は、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。

受注者は、計量装置を設計図書に従い定期的に検査し、検査結果を整理・保管し、監督職員または検査職員から請求があった場合は速やかに提示しなければならない。

3. セメントミルク比重の管理

受注者は、製造されたセメントミルクの比重を設計図書に従い管理しなければならない。

9-3-4-5 注入管理

受注者は、水及びセメントの計量にあたっては、設計図書に示す方法によらなければならない。ただし、これ以外の場合は、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。

また、グラウチング工の結果を整理して、速やかに監督職員へ提出しなければならない。

9-3-4-6 配合及びその切替え

受注者は、セメントミルクの配合及びその切替えについては、設計図書によらなければならない。

9-3-4-7 注入

1. 一般事項

注入方法及びステージ長は設計図書による。

2. 注入の開始及び完了

受注者は、注入の開始及び完了にあたっては、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。

3. 施工

受注者は、注入圧力、注入速度、完了基準及び注入中断基準については設計図書によらなければならない。

4. 変位観測

受注者は、注入中に設計図書に示す観測方法により堤体コンクリート及び基礎岩盤の変位を観測しなければならない。

5. 連続注入

受注者は、注入中のステージが完了するまで、連続して注入しなければならない。

6. 注入管理

受注者は、注入中に注入圧、注入量、注入速度について常に設計図書の規定に合致するよう管理しなければならない。

7. 異常時の処置

受注者は、注入中に異常が認められ、やむを得ず注入を一時中断する場合には、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。

8. 注入の中断

受注者は、注入中に設計図書に示す許容変位量を超える堤体コンクリート及び基礎岩盤の変位を認めた場合には、注入を中断し監督職員の指示を受けなければならない。

9. 隣接孔の同時注入の禁止

受注者は、同一のステージ長の場合において、隣接する孔の同時注入を行ってはならない。ただし、これ以外の場合は、監督職員の指示によらなければならない。

10. 漏えい対策

受注者は、注入中、岩盤表面等へのミルクの漏えい等に注意をはらい、ミルクの漏えいを認めたときには、糸鉛、綿糸、モルタルによりコーキングを行わなければならない。ただし、これ以外の材料による場合は、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。

9-3-4-8 注入効果の判定

1. チェック孔

受注者は、グラウチングにおいて、グラウチングの効果を確認するため設計図書に基づいてチェック孔をせん孔し、コア採取、透水試験を行わなければならない。なお、チェック孔の位置、方向、深度及びそのチェック孔の処理方法等は、設計図書によらなければならない。

2. 追加グラウチング

受注者は、グラウチングの施工によって所要の改良効果が得られない場合は設計図書に基づいて追加グラウチングを行わなければならない。なお、追加孔の位置、方向、深度、注入仕様等については、事前に監督職員の承諾を得なければならない。