第10編 第6章 トンネル(NATM)
第6章 トンネル(NATM)
第1節 適用
1.適用工種
本章は、道路工事における道路土工、トンネル掘削工、支保工、覆工、インバート工、坑内付帯工、坑門工、掘削補助工、仮設工その他これらに類する工種について適用する。
2.適用規定(1)
道路土工は、第1編第2章第4節道路土工、仮設工は、第3編第2章第10節仮設工の規定による。
3.適用規定(2)
本章に特に定めのない事項については、第1編共通編、第2編材料編、第3編土木工事共通編の規定による。
4.トンネルの施工
受注者は、トンネルの施工にあたって、工事着手前に測量を行い、両坑口間の基準点との相互関係を確認の上、坑口付近に中心線及び施工面の基準となる基準点を設置しなければならない。
5.測点
受注者は、測点をトンネルの掘削進行に伴って工事中に移動しないよう坑内に測点を設置しなければならない。
6.検測
受注者は、坑内に設置された測点のうち、受注者があらかじめ定めた測点において掘削進行に従い、坑外の基準点から検測を行わなければならない。
7.状況の観察
受注者は、施工中の地質、湧水、その他の自然現象、支保工覆工の変状の有無を観察するとともに、その記録を整備し、監督職員の請求があった場合は速やかに提示しなければならない。
8.異常時の処置
受注者は、施工中異常を発見した場合及び湧水、落盤その他工事に支障を与 えるおそれのある場合には、工事を中止し、監督職員と協議しなければならない。ただし、緊急を要する場合には応急措置をとった後、直ちにその措置内容を監督職員に連絡しなければならない。
9.坑内観察調査
受注者は、設計図書により、坑内観察調査等を行わなければならない。
なお、地山条件等に応じて計測Bが必要と判断される場合は、設計図書に関して監督職員と協議する。また、計測は、技術的知識、経験を有する現場責任者により、行わなければならない。
受注者は、計測記録を整備保管し、監督職員の請求があった場合は、速やかに提示しなければならない。
10.火薬取扱主任者
受注者は、火薬取扱主任を定め、火薬取扱量、火薬取扱主任の経歴書を爆破による掘削の着手前に監督職員に提示しなければならない。また、火薬取扱者は、関係法規を遵守なければならない。
第2節 適用すべき諸基準
受注者は、設計図書において特に定めのない事項については、以下の基準類による。これにより難い場合は、監督職員の承諾を得なければならない。
なお、基準類と設計図書に相違がある場合は、原則として設計図書の規定に従うものとし、疑義がある場合は監督職員と協議しなければならない。
| 発行者 | 基準名 | 発行年月 |
|---|---|---|
| 建設省 | 道路トンネル技術基準 | 平 成元年5月 |
| 日本道路協会 | 道路トンネル技術基準(構造編)・同解説 | 平成15年11月 |
| 日本道路協会 | 道路トンネル非常用施設設置基準・同解説 | 令和元年9月 |
| 土木学会 | トンネル標準示方書山岳工法編・同解説[2016年制定] | 平成28年8月 |
| 土木学会 | トンネル標準示方書開削工法編・同解説[2016年制定] | 平成28年8月 |
| 土木学会 | トンネル標準示方書シールド工法編・同解説[2016年制定] | 平成28年8月 |
| 日本道路協会 | 道路トンネル観察・計測指針 | 平成21年2月 |
| 建設省 | 道路トンネルにおける非常用施設(警報装置)の標準仕様 | 昭和43年12月 |
| 国土交通省 | 道路トンネル非常用施設設置基準 | 平成31年3月 |
| 日本道路協会 | 道路土工-擁壁工指針 | 平成24年7月 |
| 日本道路協会 | 道路土工-カルバート工指針 | 平成22年3月 |
| 日本道路協会 | 道路土工-仮設構造物工指針 | 平成11年3月 |
| 建設業労働災害防止協会 | ずい道等建設工事における換気技術指針(換気技術の設計及び粉じん等の測定) | 令和3年4月 |
| 日本道路協会 | 道路トンネル安全施工技術指針 | 平成8年10月 |
| 厚生労働省 | ずい道等建設工事における粉じん対策に関するガイドライン | 令和2年7月 |
| 日本みち研究所 | 補訂版 道路のデザイン-道路デザイン指針(案)とその解説- | 平成29年11月 |
| 日本みち研究所 | 景観に配慮した道路附属物等 ガイドライン | 平成29年11月 |
| 厚生労働省 | 山岳トンネル工事の切羽における肌落ち災害防止対策に係るガイドライン | 令和6年3月 |
第3節 トンネル掘削工
10-6-3-1 一般事項
本節は、トンネル掘削として掘削工その他これらに類する工種について定める。
10-6-3-2 掘削工
1.一般事項
受注者は、トンネル掘削により地山をゆるめないように施工するとともに、過度の爆破を避け、余掘を少なくするよう施工しなければならない。
また、余掘が生じた場合は、受注者はこれに対する適切な処理を行うものとする。
2.爆破後の処置
受注者は、爆破を行った後のトンネル掘削面のゆるんだ部分や浮石を除去しなければならない。
3.防護施設
受注者は、爆破に際して、既設構造物に損傷を与えるおそれがある場合は、防護施設を設けなければならない。
4.電気雷管使用の注意
受注者は、電気雷管を使用する場合は、爆破に先立って迷走電流の有無を調査し、迷走電流があるときは、その原因を取り除かねばならない。
5.断面確保
受注者は、設計図書に示された設計断面が確保されるまでトンネル掘削を行わなければならない。ただし、堅固な地山における吹付けコンクリートの部分的突出(原則として、覆工の設計巻厚の1/3以内。ただし、変形が収束したものに限る。)、鋼アーチ支保工及びロックボルトの突出に限り、設計図書に関して監督職員の承諾を得て、設計巻厚線内にいれることができるものとする。
6.ずり処理
受注者は、トンネル掘削によって生じたずりを、設計図書または監督職員の指示に従い処理しなければならない。
7.岩区分の境界確認
受注者は、設計図書における岩区分(支保パターン含む)の境界を確認し、監督職員の確認を受けなければならない。また、受注者は、設計図書に示された岩の分類の境界が現地の状況と一致しない場合は、監督職員と協議する。
8.切羽監視責任者の配置
切羽監視責任者は、原則専任で配置するものとする。ただし、現場の状況によりこれにより難い場合は、設計図書に関して監督職員と協議し配置不要とすることができる。